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週刊誌コラム

週刊朝日「大いに成るほど〜素朴なギモン編」

話題の海洋深層水、どのくらいの深さから、どうやって汲み上げるの?

 近ごろ、飲料水などでよく目にするようになった、海洋深層水。一年を通して水温が一定して低く、細菌による汚染もなく、またカルシウムやマグネシウムなどのミネラルを豊富に含んだ栄養豊かな資源として、健康食品や医薬品など幅広い分野から注目を集めています。また、この深層水を凍らせて魚介類の輸送に使えば、長い時間鮮度を保つことができるので、輸送の範囲も広がります。ところでこの深層水、じつは建設会社と深い関係があるのです。
 深層水は、太陽の光が届かない水深が200メートルよりも深いところにある海水。その汲み上げには、ポリエチレンでできたホースを使います。太さがおよそ25センチメートルあり、周りにはワイヤーを巻いて補強してあります。海の中ではメンテナンスも簡単にはできないので継ぎ目はなく、一本のホースは長さが2700メートルもあります。そして一巻きになったホースを船から降ろしていき、海底に敷設します。ここで活躍しているのが、石油やガスを運ぶパイプラインを海底に敷設する海洋土木技術なのです。
 深層水の取水に適した場所は、遠浅な大陸棚のような場所よりも、海岸に近くしかも一気に深くなっている場所の方が向いています。なぜなら、ホース先端の取水口から取水槽までの距離が長いと、ホース内を流れる深層水の流速が落ちてしまい、水温が上昇したり、パイプラインも長くなるのでコストが多くかかってしまいます。
 地中に敷いたパイプに低温の深層水を流して地面の温度を下げれば、南国でも高原野菜を栽培できるようになります。おもしろいですね。

(掲載号:09月08日号)