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週刊誌コラム

週刊朝日「大いに成るほど〜素朴なギモン編」

寄せては返す波、なんとかエネルギーに利用できないの?

 日本の海岸線の総延長は、およそ34000キロメートル。小さい国土にもかかわらず、世界第二位の長さを持っています。言い換えれば、波がたくさんあるわけです。
 この波をエネルギーを生み出すものとして活用しようと考えはじめたのが、波力発電とか波浪発電と呼ばれるものです。現在、出力30〜60キロワットの実証試験が行われていますが、残念ながら実用化されているものはまだあまりありません。その大きな理由は、設備にかかるコストと発電量のバランスの問題。現状では、波が生み出す電気はとても高価な電気になってしまうからです。
 そのなかで実用化されているもののひとつに航路標識用のブイがあります。このブイは中に発電装置を備えていて、装置の中に入った波が上下に動くことによってピストンの役目をして電気を起こします。出力は60〜100ワットとわずかですが、いままでは意外と大仕事だった海上でのバッテリー交換の必要はなくなりました。ブイは、プカプカ動きながら海の安全を守っているわけです。
 ところで、繰り返し打ち寄せる波を見ていると、海の水そのものが押し寄せて来ていると思っていませんか?でも、じつは水そのものが沖から岸まで走ってくるわけではありません。波の上下動が表面のうねりになって、伝播して行くだけなのです。野球場などで見かける「ウェーブ」も、人が横に移動していくのではなく、人の上下動だけが順繰りにうねりとなって伝わっていっているだけですよね。あれと一緒で、カーテンやシーツをあおったときに波のように揺れるのと同じ原理なのです。

(掲載号:09月15日号)