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週刊誌コラム
週刊朝日「大いに成るほど〜素朴なギモン編」
吊り橋の長くて太いケーブル、いったいどうやって向こう側へ渡すのでしょうか?
ケーブルの描くゆるやかなM字型のラインが印象的なのが吊り橋です。ところで、吊り橋のあのケーブル、いったいどのようにして架けていると思います?もちろん、一抱えもあるような太いロープですから、一気に向こう側へ渡しているわけではありません。
海峡や広い川など、人や車ではワイヤーを運んで行くことのできない場所では、パイロットロープと呼ばれる綱を船などによって運んでいくのです。2本の主塔の間の長さが世界最長の吊り橋「明石海峡大橋」では、はじめてヘリコプターが使われました。神戸側から淡路島側へ、ふたつの主塔を越えてヘリコプターがパイロットロープを渡していったわけです。
このパイロットロープは、アラミド繊維という、軽くてとても丈夫な繊維でできています。いままで船で引き出していたパイロットロープをヘリコプターで渡していくことによって、流れの激しいことで有名な明石海峡の潮流の影響を受けることもなく、また行き交う船にも影響を与えずに、短期間でロープを渡すことができたのです。
このパイロットロープには、吊り橋のカナメともいえる直径5・23ミリメートルの鋼線を127本まとめたストランドと呼ばれるケーブルがつながっていて、淡路島側でたぐりよせます。これを繰り返して、片側だけでストランドを290本束ねてケーブルストランドと呼ばれる1本のメインケーブルにします。その太さ、実に112センチメートル。最初は細いパイロットロープから始まったものが、最終的には一抱えもある太いケーブルになるわけです。
世界一の吊り橋は、端から端まで、ユニークな技術で造られていたのですね。
(掲載号:11月17日号)
