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週刊誌コラム

週刊朝日「大いに成るほど〜素朴なギモン編」

ダムの重さって、いったいどのくらいあるのでしょうか?

 ダムは、人間が造るいちばん重い構造物のひとつです。比較的よく見かける中規模のコンクリートダム(体積約50万立方メートル)でも、だいたい100万トン以上の重さがあります。
 ダムは、地質のしっかりした場所を選んで造ります。しかし、基礎になる岩盤は自然のものですから一定ではなく、岩盤そのものに亀裂がある場合もあります。そこにそのままダムを造って水を貯めると、岩盤の弱い箇所や亀裂から水が漏れてしまうことがあります。ダム湖に水を貯めると、高さ100メートルのダムで、基礎の地盤には1平方メートル当たり100トンという水圧がかかります。この水圧のほかにダム本体の重量がかかるわけです。そこでダムを造るときには、基礎地盤の止水と補強を目的としたグラウチングという工事をしているのです。
 グラウチング工事は、まず、基礎になる地盤にボーリングマシンで直径5〜10センチメートルの孔を、数メートルから数十メートルの深さで空け、その中に「セメントミルク」と呼ばれるセメントと水を混ぜたものを注入します。
岩盤が水を通しづらい場合には薄いセメントミルクを使い、入る量に応じて徐々に濃いセメントミルクに変えていきます。しかし、亀裂の間隙は非常に狭く複雑な場合もあり、ただ流し込むだけでは十分に行き渡りません。そこで、注入ポンプと注入管の間にコンピュータに接続した制御機器を入れ、注入量と圧力を計測しながら効率良く注入していくのです。
 こうしてダムの基礎岩盤は、ダムの重さと水圧に耐えられるように補強されて、あの重いダムを支えられるようになるわけです。

(掲載号:12月01日号)