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週刊誌コラム

週刊朝日「大いに成るほど〜素朴なギモン編」

コンクリートダムの中は、コンクリートがぎっしりと詰まっているだけなの?

 たしかにコンクリートダムは、一見すると巨大なコンクリートの塊に、水を放流する穴と、点検などに使われる階段がついているだけのように感じます。しかし、あのコンクリートの塊の中には、ダムの安全を守るためのさまざまな機器や施設があるのです。
 ダムの堤体の中には監査廊(かんさろう)と呼ばれるトンネルが設けられていて、ダムの点検や維持管理のために活用されています。じつはダムは、見た目からは想像もつかないほどデリケートな動きをする構造物なのです。
 たとえば、朝夕や季節ごとの気温の変化や、ダム湖の水位や水温などによって、つねに微妙な影響を受けています。この影響を観測するための計器が、監査廊に設置されています。また、100万トンもある堤体を支える基礎基盤のひずみや岩盤内の水圧、さらにはダムの下からの水圧などによる影響を点検する計測器も設置されています。その他、地震の時にダムにかかる地震の大きさを測定する地震計も設置されているのです。
 これらの計器の端末は管理事務所に集められ、コンピュータによって総合的に観測・解析されています。また、万一の洪水時にも、下流の地域の安全を脅かすことのないよう、放流ゲートや放流管のバルブをコントロールする操作室もここにあります。高さの高いダムでは、ダムの中にエレベーターやモノレールも設けられていて、管理する人々がダムの底まで容易に降りていけるように考えられているのです。
 あのダムの中には、無骨ともいえる外見からは想像もつかない、安全を厳しくチェックし守るさまざまな工夫があったのですね。

(掲載号:12月08日号)