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週刊誌コラム
週刊朝日「大いに成るほど〜素朴なギモン編」
ダムの貯水池に、ロープのようなものが渡されているのを見かけますが、あれは何?
水の力で発電したり、農業やさまざまな産業で使う水を貯える、ダム。ダムはまた、雪解けや大雨が降ったときに、水の量を調節して洪水から人々の暮らしを守る、重要な役目も担っています。
台風などで木が倒れると、それがダム湖まで流れてくることがあります。流れてきた木をそのままにしておくと、ダムの取水口に詰まって放水の量をコントロールできなくなり、あふれ出した水が洪水となって下流の地域に流れ出してしまいます。そこでダム湖では、ダムの上流側の両岸に網を渡した網場(あば)と呼ばれる施設で、流れてきた流木などがこの網に掛かるようにしているのです。網に引っ掛かった流木は、ボートなどで回収しています。
ダム湖には、上流から運ばれてくる土や土砂なども徐々に積もっていきます。この堆積物が多くなっても、ダムは能力を十分に発揮できなくなります。そこで、重機を使って湖底を掘削したり、浚渫船で底に積もったものを取り除いているのです。そして、取り出した石や砂は、新たにダムなどをつくる材料として有効に活用しています。
ところで、ダムをつくるときは、周りの環境にも気を配っています。現場の仮設備や仮建物の色を周りの風景にとけ込む目立たない色調にしたり、重機の色を黄色ではなく緑色にしたりします。これは、鷹など山に住む鳥や動物たちから目立たなくするためです。繁殖期には、工事も止めることもあります。また、削った山には、緑を植えてもとの姿に戻しています。ダムの工事は、自然のことを考えて、折り合いをつけながら進めているのですね。
(掲載号:12月29日号)
