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週刊誌コラム

週刊朝日「大いに成るほど〜近代化遺産編」

旧・下野煉化製造会社 : 栃木県下都賀郡野木町

 東北本線の古河と小山の間、渡良瀬遊水地に接して野木という町がある。野木は農業の町、特にひまわりが町のシンボル。真夏に咲くひまわりも季節を強く映している。

 今や埼玉や東京のベットタウンとして急速に住宅化が進んでいるが、かつて、この町は有名な煉瓦の産地だった。町と渡良瀬遊水地の境辺りに下野煉化製造会社があって、その名残、国の重要文化財に指定されている「ホフマン式リングキルン(輪窯)」(明治23年ごろ)がある。

 リングキルンというのは、ドーナツ型の窯をつくり、生の煉瓦の乾燥、焼成、冷却と取り出し、という一連の作業を切れめなく続けることができる仕組みの窯で、現在完全な形で残るホフマン・リングキルン」が残るのはここだけである。なぜホフマン式かといえば、ドイツ人ホフマンが、このエンドレスで焼くことができる窯を発明し特許をとったからだ。

 窯の外形は周囲約100メートル16角形の形をしており、中央に高さ地上から約31メートルの煙突を立てている。明治23年に操業を開始し、昭和47年に窯の火を消すまで、約80年間赤レンガを焼き続けた。

 現在、この煉瓦窯は町が管理している。周囲は乗馬クラブとなっており、乗馬や馬の遊歩する姿が見られるのでこれも楽しんでいただきたい。

 なお、関東地方にはこの旧・下野煉化製造会社の窯の他、埼玉県深谷市に明治21年創設の旧・日本煉瓦製造会社の窯も残る。

(掲載号:2006年09月08日号)