週刊誌コラム
週刊朝日「大いに成るほど〜近代化遺産編」
日光金谷ホテル本館など : 栃木県日光市
立秋をむかえ暦の上ではそろそろ秋である。とは言うものの残暑はまだまだ厳しい。この時期、避暑地で過ごす方も多いだろう。栃木県日光も、明治時代から東照宮観光とリゾートを目的に外国人観光客が訪れた避暑地だった。
現在の日光金谷ホテルは明治6年に「金谷カッテージ・イン」と言う名で外国人向けの宿屋として開業した。現在の金谷ホテル本館は明治26年に建設された建物。後にかなり手が加わっているが、それでも食堂の一部や階段回りなどに明治建築の面影を留めている。
日光は東照宮から社寺仏閣の町としての印象が強いが、意外に近代化遺産の多い町で、この金谷ホテルを始めとして、JR日光駅(大正1年)、日光真光教会(大正3年)などがある。
JR日光駅は、漆喰壁の木造二階建てで、国際的な観光地の玄関としても趣きのある建物となっている。日光真光教会は石造りのゴシック風の建物。ガーディナーという宣教師が設計したが、彼は若い時期建築も学び、教会を始めとして数多くの建築の日本に建てた。日光真光教会は代表作の一つと言われる。
「日光を見ずして結構と言う無かれ」と世にうたわれた日光だが、日光東照宮の絢爛豪華さには外国人も驚いた。日光は明治の初めから多くの外国人が訪れ、観光都市として発展した。世界遺産に指定された日光東照宮は余りにも有名だが、この町にも金谷ホテルなど近代化遺産があることも知っていただければと思う。
(掲載号:2002年08月16日・23日合併号)
