ステークホルダー・ダイアログ

事業活動と持続可能な社会について

国連において2030年を期限とする持続可能な開発目標(SDGs)が採択されました。
その時代の変化の中で、⼤成建設が今後取り組むべき社会的課題やその社会的な背景について、CSRに⾒識の深い有識者の皆さまのご意⾒をいただきました。

ISO
  • 6.2.3 組織統治
GRI
  • G102-3
  • G102-20
  • G120-21

企業の存続と社会の良き関係を示す「ガバナンス」の推進へ

後藤 敏彦
後藤 敏彦
サステナビリティ・コミュニケーションネットワー
ク代表幹事、日本サステナブル投資フォーラム最高
顧問、グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジ
ャパン理事等環境管理規格審議委員会EPE小委員会
委員、環境省・環境レポート大賞審査委員会委員/
環境情報開示基盤整備事業WG座長など複数委員会
の座長・委員。

(特非) サステナビリティ日本フォーラム 代表理事

後藤 敏彦氏

日本企業のガバナンスというと、取締役会、株主総会など組織論が中心になってしまいがちですが、重要なのはガバナンスの中身、特にポリシーであると考えています。
変化の激しい現在においては、今までのゼネコンのあり方と今後のあり方とは大きな違いがある可能性があります。
激変する環境下では、企業として社会情勢の変化に対しどのように対応し、企業としてどのように存続していくかを明確にしたポリシーや長期目標が必要です。
この点においてガバナンスは企業存続と社会との良き関係を示すものであり、中長期目標・戦略・方向性をコミットするという点でも極めて重要です。
大成建設は、気候変動に関する2050年の長期目標を持っていますが、気候変動を含む広範囲な長期目標を策定し、持続可能な社会の構築に貢献していってほしいと思います。

G

人権とサプライチェーンが最優先課題

牛島 慶一
牛島 慶一
2002年(株)日立製作所に入社。2005年より、
日立グループ全体のCSR・サステナビリティ戦略
に従事。CSRと経営戦略の融合を推進し、同社の
理念およびグループビジョンの実現に尽力。
2014年より、EYのCCaSSの日本エリアリーダー
として、グローバルビジネスやサステナビリティ
に関する研究やアドバイスを実施。

新日本有限責任監査法人CCaSSリーダー マネージングディレクター

牛島 慶一氏

今後10年先を考えると、今から積極的に取り組んでいただきたいのは「サプライチェーン」・「人権」リスクに関する分野です。重層下請け構造の中で膨大な人数の建設技能者が携わる建設業では、末端のサプライヤーの労働環境実態を把握するなどの責任も今後問われてくると思われます。
特に2020年東京五輪・パラリンピックに向けて、人権について国内外のNPOの監視が強まっていることから、人権に関して理解を深めていくことが重要です。サプライチェーンの中に外国人技能実習生や違法伐採木材など、国際的に関心の高い課題から、「人権侵害」の有無を確認していくことが有効です。
大成建設のヒューマンセントリックな考え方、「地図に残る仕事。」は、国内外を問わず、レガシーを共につくっていくという強い求心力をもっています。このフレーズを生かし、人を軸に据えたコアバリューを共有し、社会的使命、誇りに思うところを広げていってほしいと思います。

S

環境分野での強みや技術を生かした貢献を

河口 真理子
河口 真理子
1986年大和証券入社。2010年大和証券グループ
本社CSR室長。2011年7月より大和総研に帰任。
担当分野はサステナブル投資、CSR、エシカル
消費。国連グローバル・コンパクト・ネットワ
ク・ジャパン理事、NPO法人サステナブル投資フ
ォーラム共同代表理事。プランジャパン評議委員、
アナリスト協会検定会員。

(株) 大和総研 主席研究員

河口 真理子氏

スチュワードシップ・コードの導入以降ESG投資が急激に増加していることから、企業と年金基金や運用会社などの投資家との対話が、これまで以上に増加しています。環境(E)・社会(S)・ガバナンス(G)の中でも特に建設業という業態を考えると、「環境問題」への対応が喫緊の課題であると思います。
投資家との対話では、どういう技術でどんな価値を社会に提供できるかを企業は積極的に開示していく必要があります。特に、自然資本を保全する技術は、投資家の高い評価につながります。これからの地球環境を考えると、森林の保全や水の確保、洪水など気候変動がもたらす異常気象にも強いインフラ作りは大変重要な課題になっており、多くの環境関連技術を持つ大成建設が活躍しなければならない場が、ますます増えていくことが予想されます。建設事業を通じて環境問題をはじめとする社会的課題を解決し、持続可能な社会をつくるために、ぜひ長期目標を策定して業界をリードして行ってください。

E

国連目標「レジリエントなインフラの構築」の達成に期待

黒田 かをり
黒田 かをり
民間企業勤務後、コロンビア大学ビジネススクー
ル日本経済経営研究所、米国民間非営利組織アジ
ア財団の勤務を経て、2004年より現職。ISO260
00(社会的責任規格)策定の日本のNGOエキス
パート、SDGs推進円卓会議構成員、SDSN Jap
anの理事などを務める。

(一財) CSOネットワーク 事務局長・理事

黒田 かをり氏

2015年にパリ協定や2030年を期限とする国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」が採択され、人類社会が向かうべき大きな方向性が決定しました。
SDGsには、17の目標と169のターゲットが掲げられており、その多くの課題が相互に関係しあっています。目標の一つである「レジリエントなインフラ構築」には、インフラの構築だけでなく、貧困、気候変動、生物多様性など、幅広い課題が絡んでいます。
したがって、複数の目標を面で捉えて、目標達成に貢献していくことが重要です。例えば、気候変動によって異常気象が頻発する地域では、防災対策や地域コミュニティ支援も重要な課題となってくるでしょう。
SDGsには、「誰も取り残さない」というスローガンが掲げられていますが、17の目標に通底する「世界を変革する」ことを意識して取り組んでほしいと思います。

CSR