ガバナンス報告組織統治

持続的発展の基盤として

コーポレート・ガバナンスと内部統制

ISO 6.2.3 組織統治
GRI G4-34、G4-38、G4-39、G4-40、G4-41、G4-51、G4-52

ガバナンスに関する基本方針と経営体制

大成建設は、「人がいきいきとする環境を創造する」という「グループ理念」、およびグループ理念を追求するための「自由闊達」、「価値創造」、「伝統進化」という3つの「大成スピリット」のもと、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を実現することを目的として、「コーポレートガバナンス基本方針*1」を定めています。
当社は、この基本方針に則して、取締役会(社外取締役3名を含む)において、経営上の重要な意思決定や業務執行の監督に専念しております。また、取締役会に各種の取締役委員会を設置するとともに、執行役員制度を導入しています。また、取締役会や業務執行部門から独立した機関である監査役会(社外監査役4名を含む)が、会計監査人や内部監査部門である監査部と緊密に連携し、独立性・実効性の高い監査の実施とグループ全体の監査体制の強化を図っています。

1 2015年11月制定

取締役会の実効性

大成建設では、2016年度の取締役会の実効性評価を、取締役・監査役の自己評価の後、社外取締役による全体評価と第三者(弁護士)の意見を参考とし、取締役会で審議する方法により実施しました。
評価結果は、全体としては、議案の説明・審議が的確に行われ、社外取締役・監査役からの発言も踏まえ、取締役会が実効的に機能しているというものであり、グループガバナンスのあり方や中長期的な経営戦略などについて議論していきたいとの意見なども述べられました。
これらの評価を踏まえ、取締役会運営のさらなる充実を図っていきます。

財務報告の信頼性確保

金融商品取引法に基づく財務報告に係る内部統制については、企業として最も重視すべき課題の一つと認識しており、日常的モニタリングの実施など、外部に公表する財務報告の信頼性を確保するための社内体制を構築しています。その有効性は、監査部による評価および有限責任あずさ監査法人による監査によりチェックされ、「内部統制報告書」「内部統制監査報告書」として開示し、今後とも、この有効性の確保を通じて、企業としての社会的責任を果たしていきます。
なお、財務報告に係る内部統制システムの確実な運用を継続していくため、役職員などに対する社長メッセージの発信や、eラーニングの実施などの啓発活動を行っています。

内部統制の推進

大成建設では、グループとして、業務を適正かつ効率的に執行する体制および財務報告の信頼性を確保するために、取締役会において「業務の適正を確保するための体制の整備に関する基本方針*2」を定め、リスクマネジメントやコンプライアンスのさらなる推進を図っています。2016年度には、「執行役員の責務と役割」をテーマとして、弁護士による研修を2回実施するなど、各種の施策を講じています。

2 2006年5月制定。2015年4月最終改正

KPIs

グループ理念体系の浸透・定着

  • 社長室経営企画部

2011年度以降、理念体系に関するeラーニングを毎年度実施し、社会的要請や社内での取り組みと関連付けながら、理念体系の一層の浸透・定着を図っています。2016年度は、理念体系の意義・構成を再確認した上で、ESG投資が要請する企業価値の向上と理念体系との関係をテーマとし、研修を実施しました。

グループ理念体系eラーニングの実施率 ・・・96.3%
(2016年度目標100%)

ガバナンス体制

ガバナンス体制図
1

株主総会(2017年6月29日開催)

株主が、株主総会議案について十分に検討する時間を確保し、適切に議決権を行使することができるよう、株主総会開催日を適切に設定し、株主総会の招集通知を株主総会開催日の3週間以上前までに発送するよう努めるとともに、招集通知発送前に、TDnet(東京証券取引所が運営する適時開示情報伝達システム)やWebサイトにより電子的公表を行っています。

2

取締役/取締役会(2016年度開催回数13回)

取締役会は、当社の持続的成長と中長期的な企業価値向上を促すため、効率的かつ実効的なコーポレート・ガバナンスを実現する責任を負っており、その責任を果たすため、経営全般に対する監督機能を発揮して経営の的確性・公正性・透明性を確保するとともに、法令、定款などにおいて定められた重要な業務執行の決定を行っています。
取締役候補の指名は、取締役会内に設置した役員人事委員会で審議の上、取締役会で決定しています。なお、取締役のうち2名以上は、独立かつ客観的な業務執行の監督の実効性を確保するため、独立社外取締役とすることとしています。

3

取締役会委員会

取締役会審議の充実・活性化のための事前審議機関として、取締役会内に役員人事委員会、報酬委員会、財務委員会、CSR委員会など、各種の取締役会委員会を設置しています。

4

監査役/監査役会(2016年度開催回数14回)

監査役は、取締役や業務執行部門から独立した機関として、監査役会において定めた監査方針に従い、取締役会に出席するほか、取締役などから経営状況の報告を聴取するなど、取締役の職務執行の監査を行っています。
また、監査役と代表取締役、監査部および会計監査人は定期的会合を持ち、相互の意思疎通を図り監査の実効性向上に努めています。

5

監査役業務部

監査役の職務執行を補佐するため、取締役からの独立性を備えた専任の組織である監査役業務部を設置し、監査役の適切な情報収集などを支援しています。

6

監査部

監査部は、年度監査計画などに基づき、社内各部門およびグループ会社に対し、管理・運営の制度および業務執行状況の合法性・合理性に関する内部監査を実施しています。

7

会計監査人

会計監査人は、監査計画・監査結果について随時、監査役会および経理部などの内部統制部門への報告を行っています。
また、経営陣、監査役および監査部は、会計監査人による適正な監査を確保するために、会計監査人との間で定期的または、随時の打合せや意見交換を行っています。

8

業務委員会

社長の諮問に係る業務についての審議などを行うため、技術委員会、中央安全委員会、環境委員会、リスクマネジメント委員会、中央労務委員会、海外事業戦略委員会などの業務委員会を設置しています。

9

特別委員会

社長の諮問に応える特別の委員会として、社外有識者を委員長としたコンプライアンス委員会を設置し、コンプライアンス推進の強化を図っています。

役員報酬について

取締役報酬等は2006年6月27日開催の第146回定時株主総会決議に基づく月総額70百万円以内、監査役報酬等は1994年6月29日開催の第134回定時株主総会決議に基づく月総額12百万円以内を限度に、大成建設の事業規模、内容、業績、個々の職務内容や責任などを総合的に考慮して決定しています。
なお、取締役報酬等については業績を反映した報酬体系とし、取締役会の事前審議機関である「報酬委員会」にて検討の上取締役会にて決定し、監査役報酬等については監査役会にて協議の上決定しています。

役員の報酬等

当社の役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別の総額および対象となる役員の員数

区分 社内役員 社外役員
支給人員 支給額 支給人員 支給額 支給人員 支給額
取締役 8名 556百万円 2名 26百万円 10名 582百万円
監査役 2名 63百万円 4名 45百万円 6名 108百万円
10名 619百万円 6名 71百万円 16名 690百万円

(注)役員の報酬等の種類は、すべて基本報酬である。

社外役員の選任について

大成建設は、コーポレート・ガバナンスの一層の充実を図るため、社外役員(社外取締役および社外監査役)を7名選任しています。7名全員が証券取引所の定める独立性の基準を満たしており、東京証券取引所有価証券上場規程等に基づき、独立役員として届け出ています。

2016年度 社外役員の取締役会および監査役会の出席状況

区分 氏名 主な活動状況
取締役 辻 亨 異業種の経営者としての経験を通じて培われた高い見識と、社外取締役として中立的な立場と視点から、内部統制システムを確立し、コーポレート・ガバナンスを強化するため、当社の経営上有用な意見を述べております。
  • 取締役会出席13回/13回(出席回数/開催回数)
取締役 數土 文夫 異業種の経営者としての経験を通じて培われた高い見識と、社外取締役として中立的な立場と視点から、内部統制システムを確立し、コーポレート・ガバナンスを強化するため、当社の経営上有用な意見を述べております。
  • 取締役会出席12回/13回(出席回数/開催回数)
監査役 前田 晃伸 財務・会計に関する豊富な知見に基づき適宜意見を述べております。
  • 取締役会出席13回/13回(出席回数/開催回数)
  • 監査役会出席14回/14回(出席回数/開催回数)
監査役 森地 茂 大学教授としての経験を通じて培われた高い見識に基づき適宜意見を述べております。
  • 取締役会出席12回/13回(出席回数/開催回数)
  • 監査役会出席13回/14回(出席回数/開催回数)
監査役 宮越 極 警察関係における経験を通じて培われた高い見識に基づき適宜意見を述べております。
  • 取締役会出席13回/13回(出席回数/開催回数)
  • 監査役会出席14回/14回(出席回数/開催回数)
監査役 斉藤 邦俊 2016年6月29日開催の第156回定時株主総会において社外監査役就任後、当事業年度開催した取締役会および監査役会のすべてに出席し、会計検査院における経験を通じて培われた高い見識に基づき適宜意見を述べております。
  • 取締役会出席10回/10回(出席回数/開催回数)
  • 監査役会出席10回/10回(出席回数/開催回数)

リスクマネジメント

ISO 6.2.3 組織統治
GRI G4-14、G4-47、EC2

全社的リスクマネジメントの推進

大成建設では、「リスクマネジメント方針*1」を制定し、経営環境の変化に伴って増大するリスクに対応すべく、全社的なリスクマネジメント推進体制を構築しています。
その運用にあたっては、毎年、事業活動に係るリスクを抽出・選定した上で、その重要度により、「全社重要リスク」、「本部所管リスク」などに分類し、リスク対策を整備するとともに、主管・所管部門を明確化することによって、実践的なリスクマネジメントの推進を図っています。
特に、企業経営に重大な影響が生じる可能性のある事件・事故については、CRO*2事務局に情報を一元化して対応し、その情報をリスクマネジメント委員会・リスクマネジメント協議会と共有することにより再発防止を図るなど、全社で効果的なリスクマネジメントを行っています。

全社的リスクマネジメント推進体制

全社的リスクマネジメント推進体制図

1 2004年9月制定

2 CRO:チーフ・リスクマネジメント・オフィサー

事業継続計画(BCP)への取り組み

大成建設では、「災害時における事業継続に関する方針*3」を制定し、経済活動の基盤を支える総合建設会社としての責務を果たすため、災害時において当社の事業活動機能を維持させ、国・地方自治体、企業などの事業継続に貢献し、社会から信頼される企業となることを目指しています。
近年では、災害時の拠点機能をさらに盤石なものとすべく、本支店災害対応拠点の代替拠点整備を行いました。
本社においては、社員寮である「プレミール初台」などを整備し、新たに本社の代替拠点として設定することで、災害時対応力を強化しました。
その他にも、昨年度には海外における危機管理体制の強化や、事業継続計画に関する新たな認証(国土強靭化貢献団体認証)の取得など、上記責務を果たすべく毎年事業継続計画の見直しを行っています。
これらの取り組みにより、2016年4月に発生した熊本地震の際も、関係取引先からの復旧工事・物資支援などの要請に、迅速に対応することができました。

プレミール初台外観

熊本地震 支援物資配送状況

3 2005年11月制定

TOPICS

「国土強靭化貢献団体」の初弾認証を取得

大成建設は、民間企業の優れた防災・減災対策を、国が認証して支援する新制度「国土強靭化貢献団体」の初弾認証を取得しました。(初回取得企業:44社)
本認証は、国土強靱化の推進について協賛し、その促進のため、事業継続に積極的に取り組んでいる事業者に対して与えられるもので、これまでの当社の事業継続計画(BCP)に対する取り組みなどが評価されたことにより、取得に至りました。

ステークホルダーとの対話・情報開示

ISO 6.2.3 組織統治
GRI G4-51、G4-52

情報開示方針

企業としての持続的発展を図り社会から信頼を得るためには、企業活動に関する重要な情報について、ステークホルダーに対し適時、適切に開示することが欠かせません。そのために大成建設は、「情報開示方針*1」を制定し、コーポレートガバナンス基本方針にも適切な情報開示と透明性の確保を掲げ、これらの方針に基づき適時・適切な情報開示を行っています。

1 2006年5月制定

株主・投資家の皆さまとの対話

大成建設は持続的な成長と中長期的な企業価値向上のために、株主との建設的な対話を促進するための体制整備および取り組みに関する基本方針として「IR方針*2」を定めています。
株主・投資家の皆さまとの対話をより建設的なものとするために、いただきましたご意見や面談内容を経営陣へフィードバックしています。また、昨年は当社初となる海外IRを実施しました。
Webサイトには中期経営計画、決算説明会での配布資料に加え、解説付きの説明資料、社長スピーチの要約、主な質疑応答も掲載(和文・英文)するなど公正な情報開示に努めています。
株主との重要な対話の場である株主総会では、社長による事業報告の説明や質疑応答などを通じて、建設的な対話促進を図っています。
さらに、海外投資家などに対しては、アニュアルレポート、英文版Webサイトなど英語での情報開示を行っています。
株主の皆さまに対しては、当社の企業活動についての理解をさらに深めていただくため、株主通信により、注力事業やESG(環境、社会、ガバナンス)に関する取り組みについても報告しています。

2 2015年11月制定

TOPICS

初の海外IRを実施

昨年、社長が海外機関投資家を直接訪問する当社初の海外IRを実施し、ロンドン、エディンバラの機関投資家とミーティングを行いました。ミーティングでは、2020年東京五輪後の国内建設市況の見通し、建設技能者の不足問題から株主還元に至るまで多岐にわたるテーマについて対話を行いました。
今後も海外IRの継続を含め、幅広い株主・投資家の皆さまとの対話を深めていきます。

ステークホルダー・エンゲージメント

ISO 6.2.3 組織統治
GRI G4-24、G4-25、G4-26、G4-27、SO4、PR5

主なステークホルダーとの対話の機会

ステークホルダー 果たすべき責任 対話
株主・投資家 ~健全な財務体質と企業価値の向上~
  • 企業価値の向上
  • 利益の安定的な確保と適正な還元
  • 適時・適切な企業情報の開示
  • コーポレート・ガバナンスおよび内部統制の適正な実践
  • 株主総会
  • 株主通信「たいせいサークル」、「TAISEI CORPORATE REPORT」、「TAISEI ANNUAL REPORT」、「コーポレート・ガバナンス報告書」の発行(各年1回)
  • 決算説明会(年2回)、「電話会議」の開催
  • 海外IRの実施(年1回)
お客さま ~安心・安全・快適なインフラの構築~
  • 良質かつ安心、安全な建設生産物・関連サービスの提供
  • 災害時の顧客の事業継続支援
  • 建設生産物・関連サービスに関する情報の適切な提供
  • 顧客情報の適正な管理
  • お客さま満足度調査の実施アンケート回収率77.3%(建築)、対象工事実施率100%(土木)
  • 「TAISEI QUALITY」活動
  • 大成情報マガジン「WEB.LIBRARY.TAISEI」、地震対策ソリューション「耐震ネット」の公開
  • 医療経営ステップアップフォーラム、耐震セミナーの開催
  • 「TAISEI CORPORATE REPORT」の発行(年1回)
  • 「顧客情報の管理に関するガイドライン」による管理
お取引先さま ~持続的な共存共栄~
  • 公平・公正な取引
  • 生産性・安全性の向上、環境保全に向けた連携、協力
  • 作業所労働環境の改善
  • 「CSR調達」説明会の開催
  • 「CSR調達」アンケートの実施
  • 「大成建設安全衛生環境協力会」との連携
  • 専門工事業者の事業主向けのコンプライアンス研修の実施[2017年1月国内全12支店実施]
  • 倉友会会員企業の新入社員に対するコンプライアンス研修の実施(年1回/2016年度38名参加)
  • 「情報セキュリティポケットブック」、「人権ハンドブック」の配布
  • 「パソコンセキュリティ診断サイト」の無償公開
  • 労働安全衛生マネジメントシステム(TAISEI OHSMS)
従業員 ~「地図に残る仕事。」による自己実現~
  • 雇用の維持・確保
  • 人権や多様性の尊重
  • 働きやすい職場環境の提供
  • 人材の育成・活用
  • 企業倫理ヘルプライン
  • 各種相談窓口の設置(メンタルヘルス、介護相談など)
  • 各種研修の実施
  • 労使協議(7,592名)
  • 労働安全衛生マネジメントシステム(TAISEI OHSMS)
  • 組合員の従業員満足度調査[隔年:2016年評価結果82.1%]
環境
社会
次世代
~キャパシティ・ビルディングの構築~
  • 社会的諸問題の解決に向けた活動支援・対話・協働
  • 社会貢献分野における協働
  • 雇用の創出
  • 地域社会との良好な関係構築
  • 税金の納付
  • 技術センターや各作業所の各種見学会の実施
  • ダイアログの実施
  • 東京都、(特非)環境学習研究会と「東京グリーンシップ・アクション(いきいき里山づくり)」の協働開催(年2回)
  • 公益信託 大成建設自然・歴史環境基金
  • ギャルリー・タイセイの運営
  • (一財)大成学術財団の設立

キャパシティ・ビルディング:Capacity Building 組織的な能力・基礎体力を形成・向上していくこと

TOPICS

倉友会との絆を深めて

倉友会(基幹協力会社組織)は、1917年に発足した「春雨会」を起源とし、2017年3月現在で会員数は691社にのぼります。
2017年2月には、倉友会発足100年目の祝賀や今後の強固な協力関係構築のために、ホテルオークラ東京で「倉友会大会」を開催しました。当社からは山内会長、村田社長をはじめとする約200名、倉友会からは約400名が出席しました。
また、村田社長は、「大成スピリットである『自由闊達』『価値創造』『伝統進化』を各支店・各作業所において具体化し、大成建設と倉友会の関係を今後も大事にしていきたい」と挨拶しました。