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工場十訓 80余年を経て、今なお輝く言葉

「工場十訓」は、昭和4(1929)年、当時の当社横山信毅専務が建設業に携わるものの心構えとすべきことを、十項目にわたって五七調の31文字の歌に読み込んだものです。横山専務はこれを自らの自慢の筆で一枚の紙に書き並べ、石版印刷にして刷り上げ、国内はもちろんのこと、海外にいたるまで、大倉土木と関係している事業所という事業所に配布して掲げさせました。声に出して読んで語呂がよくわかりやすい「工場十訓」は、人格者として信望を集めていた横山の作であることも大いに影響して、大勢の社員がこの工場十訓を社是とし服膺したと言われています。「工場十訓」が幅広い人気を集めたのは、そこに建設業者の心構えばかりでなく、もっとも基本的な企業人としての、人として心すべき人生訓が誰でもわかりやすい素直な言葉で書かれていたからではないでしょうか。

「工場十訓」が、はじめて作業所などに掲げられた時には、社員ばかりでなく作業所を訪れたお客様や取引先の間でも大変好評で、自ら社員教育のために新たに取り寄せて貰っていった人たちも多かったそうです。横山専務はいつも「施工後十年」という言葉を口にしました。社員に対しては「施工後十年たってもビクともしないものを残せ」という意味であり、お客様に対しては「目先でなく十年彼の姿を頭において仕事をしています」と説明したといいます。時代は昭和の混乱期。先が見えない時代だからこそ、「工場十訓」という、人間が社会で働くことの本質に踏み込んだ言葉を社員のために残したかったのではないでしょうか。80有余年を経た今読んでもその内容はまったく色越せていません。五七調の歌の調べの中から、社会に貢献できる仕事をしたいという横山専務の情熱が伝わってくるようです。

一、始めこそ準備の甲斐はあるものを手後れするな思案第一。ニ、大局は忘れがちなりこころせよされど小事に油断せずして。三、親切に真心こめてはたらけば渡る世間はみな仏なり。四、責任はおもきものなり後の世にのこる仕事の恥をさらすな。五、工人は仕事の宝こころしてけがわずらいをさせぬ用心。六、上下のへだてはあれどまんまるく規律のうちに仲をよくして。七、何事も工夫こらして進めかし無駄をはぶけば上下繁昌。八、順序よくものととのへば自からよき働きは進みこそすれ。九、約束を守るところに信用の花は咲くなり実は結ぶなり。十、終りこそ大事なりけり丁寧に清めてわたせ跡をにごすな

現在、作業所などで掲げてある「工場十訓」は、戦後の混乱期に忘れかけられていたものを昭和26(1951)年、当時の藤田武雄社長が、字句の一部を改めて、自ら藤田東湖の流れを汲む能書で書き直し、これを印刷して、大成建設のモットーとして支店や作業所に掲示させたものです。