ホーム > 会社情報 > プレスリリース > 2005年 > 自然繁殖工法によるアマモ場の再生


文字のサイズ
  • 小
  • 中
  • 大

プレスリリース

自然繁殖工法によるアマモ場の再生

−自然の発芽力と増殖力を活かしたアマモ場再生技術を実証−

2005年12月20日

大成建設株式会社
三重大学生物資源学部
財団法人三重県産業支援センター

大成建設(株)(社長:葉山莞児)は、三重大学(生物資源学部教授:前川行幸)、(財)三重県産業支援センター(理事長:野呂昭彦)と共同で、アマモが本来持っている自然の発芽力と増殖力を最大限活かすことにより、移植用マットの設置と移設を行うだけでアマモ場が再生できる『自然繁殖工法』を開発し、三重県の英虞湾でアマモ場再生技術の実証に成功しました。なお、本技術の開発は、三重県地域結集型共同研究事業(閉鎖性海域における環境創生プロジェクト)※の一環として実施されたものです。

アマモ場は「海のゆりかご」と呼ばれるように、魚介類の産卵場や稚仔魚の餌場、生育場として、沿岸域における生態系にとって大変重要な環境です。アマモは海の栄養塩吸収や酸素供給を行うことから海域の水質浄化に不可欠な存在です。一方、近年の埋立てや水質の悪化などにより全国的にアマモ場が減少していることから、アマモの再生事業が全国各地で進められています。しかし、従来のアマモ場の再生方法は、アマモの株や種子を採取し、直接移植するもので、潜水作業を中心に多大な労力を要する上に、貴重な天然アマモ場にダメージを与える問題がありました。

今回開発した自然繁殖工法は、アマモの自然の発芽力や増殖力を利用した移植法で、以下の2ステップにより天然のアマモ場にダメージを与えることなく効率的にアマモ移植が可能となるものです。

第1ステップ 天然のアマモ場に移植用のマットを設置し、マット上にアマモ種子が自然落下して発芽することにより、マットにアマモを定着させます。
第2ステップ アマモが定着したマットを移植地へ移設し、アマモの移植が完了します。

本自然繁殖工法の特長を以下に示します。

  1. アマモの種子や株を採取する必要がないので、天然のアマモ場へダメージを与えません。
  2. 移植作業はマットの設置と移設という簡単な作業のみであることから、アマモ移植の作業効率が格段に向上します。従来の移植工法に比べて、コストならびに工期とも1/2以下となります。
  3. マットは、環境への影響の少ない天然素材(1〜2年で自然に分解)を主体とし、波や流れにより流出しにくい構造を持つ移植用マットを開発したことにより、移植したアマモの定着率が向上します。

本工法の開発にあたっては、三重県の英虞湾において、志摩の国漁業協同組合立神支所、立神真珠養殖漁業協同組合、地域団体の英虞湾再生コンソーシアムの協力の元に、平成14年度から3年間かけて現地実証実験を実施しました。この実験では、本工法によるアマモ定着率の追跡モニタリングを継続しながら、天然素材を用いた移植用マットの開発、本工法の最適移植時期のデータ取得など行った結果、天然アマモ場と同等のアマモ移植が実現可能なことを実証しました。

今後、本工法は、当社が保有する「浚渫ヘドロを用いた干潟再生技術」、「アマモの生育場適地選定モデル」、「ヨシの生育場適地選定モデル」などの沿岸から浅場までを網羅した水域環境再生技術と組み合わせて、国や地方公共団体での自然再生事業に向けて総合的な提案を行っていきます。

※三重県地域結集型共同研究事業(閉鎖性海域における環境創生プロジェクト):独立行政法人科学技術振興機構の研究公募事業で、三重県、三重大学、四日市大学、公設試験研究機関、民間企業と地域が連携して英虞湾の干潟・浅場・藻場造成、底泥浄化、観測システムなどの技術開発を行い、海域環境保全と漁業生産が調和した新たな環境創生を目指した研究事業です。

資料

Adobe Readerのダウンロード
PDFファイルをご覧いただくには、Adobe Readerが必要です。
お持ちでない方は、ソフトウェアをダウンロードしてご覧ください。

ページ上部へ