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プレスリリース

局所的・短期的集中豪雨による洪水が予測可能に

−集中豪雨対応型河川流出解析システムを開発−

2006年8月1日

大成建設株式会社

大成建設(株)(社長:葉山莞児)は、レーダ雨量計による高解像での雨量データをベースに、集中豪雨で引き起こされる洪水現象が解析可能な『集中豪雨対応型河川流出解析システム』を開発しました。本システムは、河川の洪水流量を精度良く解析できることで、近年、増加している集中豪雨等に対して、水害へのリスク管理や被害低減対策などに活用が可能となります。

2003年の北海道水害、2004年の福井水害、2005年の宮崎水害などによって道路や鉄道などの橋梁被害が増加しています。橋梁被害の原因として、猛烈な集中豪雨によりこれまでにない大規模な洪水が発生して、橋梁の桁の上まで洪水が押し寄せたため、設計を上回る力が橋脚に作用して倒壊に至ったことが指摘されています。このような橋梁被害を低減する方法の一つには、高解像での降雨データに基づいて洪水流量を正確に求め、集中豪雨が十分把握できるシステムも重要な要素でもあります。しかし、現状の河川流出解析※はアメダスに代表される数10km間隔の地上雨量データに基づいたものがほとんどで、数kmという局所的な空間スケールで発生する集中豪雨による洪水の解析精度は著しく低下する問題があります。一方、近年、大学や研究機関では、レーダ雨量データを用いた流出解析も進められていますが、実際の洪水を対象とした精度検証が十分になされていないという課題がありました。

今回開発した『集中豪雨対応型河川流出解析システム』は、2.5km間隔の高解像でのレーダ雨量データ(編集:気象庁、発行:(財)気象業務支援センター)を統合し、かつ、50m間隔の地形・土地利用などの国土数値情報(国土地理院)等を導入することにより、あらゆるタイプの降雨に対して河川流出が解析できるもので、以下の特徴を有しています。

  1. 数10km範囲の通常降雨に加えて、数kmという局所範囲での集中豪雨による洪水が解析できます。
  2. 地形や地質および土地利用の高解像でのデータに基づいて、流域の降雨流出過程が詳細に解析できます。
  3. 実際の集中豪雨による洪水を対象とした検証により、精度の高い解析が実証されています。

本システムを、2004年の福井県足羽川流域(約350Km2)の集中豪雨型水害に適用し、ビデオ画像から算出した洪水流量と比較した結果、解像度が粗い地上雨量データを用いた従来型の流出解析では、現地の洪水流量が約50%も過少評価されたのに対して、高解像度のレーダ雨量データを用いた本システムでは、現地のデータを精度良く解析できました。

また、本システムを2005年の宮崎県五ヶ瀬川流域(約1,050Km2)の集中豪雨型水害に適用した結果、高解像度のレーダ雨量データを用いた本解析は、現地の被害を精度良く評価・解析できました。これによって流域の規模に係わらずあらゆる流域の範囲まで本システムの実用性が実証できたことになります。

今後、本システムは、水害のリスク評価と対策技術ならびに集中豪雨でのリアルタイム予測技術などと組み合わせて、事前に対象とする地域での詳細な各種データを取得することで、豪雨災害の短時間発生予測シミュレーションを可能とし、水害に対する安全性の向上に向けて総合的な提案を行っていきます。

※河川流出解析とは、陸域に降った雨が河川に流れ出る流量を解析する専門用語です。

資料

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